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そっと… 舞いおちる花びらに乗せて ひらり 僕の言葉を 君に… 始まりは同じ場所 ふるびた校舎も やけにキレイに見えた桜の日 真っ直ぐにのびたその先に 君は 一人で立っていた イタズラに駆けた風 君の長い髪が揺れて ゆらゆら 僕の中に波紋が生まれた きっと… 終わりを告げる鐘が鳴って するり 君の姿が僕の前を通り過ぎていく あでやかに笑いながら 『さよなら』と呟いた 涙色に滲んでいく空を 僕はきっと…忘れない * * * * * * 思い出は変わらずに 今でも僕の心を揺らす 一緒に泣いて笑った日 すっきりと上げたその顔で 君は 今でも立ってるの? たくさんの約束が ひとつ叶うたびに君は ほろほろ 僕の肩を濡らした 『ずっと…僕がいるよ』 声にしたら さらり 時計の砂が元通りに零れていく 哀しげに笑いながら 『さよなら』と呟いた 桜色が溢れていた空を 僕はずっと…忘れない そっと… 舞いおちる花びらに乗せて ひらり 僕の言葉を 君に…… 『愛してる 今も……』
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