はじまり

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「嫌いになってないけど変ならやだよ」  それは僕にとって死刑宣告に等しかった。  僕はずっと一緒にいられるのなら何て言われても幸せなのに。  彼の想いは周りの人間に左右される程度の好きなんだって。  何よりも僕を選んでくれることはないんだって。 彼と自分は同じ思いじゃないんだって。  今ならちゃんと言葉に出来る思いもその時は分からなくて、自分は何かに負けたんだっていう悲しさでいっぱいで。 ――言葉が何も出てこなかった。 「じゃぁケイスケくん私とケッコンしようよ」 「それがフツ-ならいいよ」 「やったー。ユキ、ケイスケくん大好きだからすっごいうれしい!」  呆然としている僕の目の前で繰り広げられる会話が痛かった。
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