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今日は朝の7時から雪かきを始めてた、今は8時40分…もう1時間40分も雪かきをしている、 フラフラしながら霧島さんは自宅前の雪かきを終えると、トテトテ歩きながら俺の家に来て、雪かきを手伝い始める。
『霧島さんいいよ、何か疲れてるようだし』
『なに言ってるのよ、木村君だって顔から気力がなくなってるわよ?』
確かに体力が無い俺には、雪かきは重労働だ、しかも3日間続きもあって肉体的には疲労が酷い、だからって霧島さんも疲れているのに、あまり手伝わせるのには気が引ける。
『うーん…』
『唸ってないで雪かきしよ?終わったら一休みして、コンビニに行って何か買ってこようよ』
『雪かきの後にコンビニ?』
やっぱり霧島さんは体力があるな…そんな事を考えながら、再び手押しダンプで雪を運んでは捨てる作業を再開する、霧島さんは手伝うのを止める気は無いようで、ひたすら黙々と雪を集めている。
それから30分後、とりあえず余計な雪を排除してサッパリさせ終えた、そして霧島さんは、汗をかいたので一度自宅に帰り、服を着替えてから俺の部屋を訪ねてきた。
『やっと今日の初めの雪かきが終わったな』
『うん、は~…疲れたわ』
ストーブに近寄りちょこんと座る、その後ろ姿は縁側で猫とひなたぼっこする、お婆ちゃんのようだ。
『どうやら少し雪が止んだみたいだ』
彼女の背中から目を離して、窓の外を見ると空から落ちてくる雪が、かなり少なくなっていた。
『うんうん、その調子で止んで、止みなさい、お願いだから』
霧島さんは手を合わせて空に向かいながら、何やらブツブツと言っている。
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