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『じゃあ、とりあえず中級者コース、行ってみようかな』
私がそう言うと、黒澤さんも雲野…君、いや、彼も「さん」付けで呼ぶ事にしよっと…は、急に動きを止めた。
『どうしたんですか?』
『今、中級者コースと仰りませんでしたか?』
『え、ええ、そう言いましたけど…』
中級者コースは私には普通のコースで、よりスキーの腕を磨くなら上級者コースに行く、でもスキーは一年ぶりで、腕が鈍ってるかもしれないから、まずは無難に中級者コースから始めようと思ったの…だけど。
『霧島ちゃん、結構スキーができんだ?実は俺、スキーってあまりやった事なくてさ、初心者コースなら普通に滑られるんだけど』
『私は…殆ど経験があらません;初心者コースでも多分、まともに滑られるのか分からないくらいで』
うう…雲野さんはともかく、黒澤さんがそんなにスキーをしたことが無かったなんて…あれ?でもじゃあ、どうしてスキーに誘ったんだろ?
『少しは滑れるようになりたいからです、せめて雲野さんと同じように、初心者コースくらいは…』
なるほど、スキーの練習がしたくて、私達を誘ったんだ…でも、それが本当に目的なのかな?ホテルじゃ…き…き…木村君と一緒の部屋に割り当てられるし、てっきり私達で遊ぶのが目的なのかと思ってたのに。
て、あああ…スキーに気を取られてて忘れてたけど、今夜から木村君と同じ部屋で寝泊まりするんだ!………どうしよぉぉぉっ!!!
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