雪か…

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最下位のバルドの役割は、氏族の系図を記憶して族長の武勲、伝承を謡い伝え、中位のウァテスは自然学、天文学、占術を学び祭儀の外部の仕事…生贄の執行を担当し、ドイルドは神学、論理学、法律を学んで、次席の地位に居るウァテスを指導する役目をしていたようだ。 ちなみに彼らの魔術の起源となった教義は、東洋にあるとの説もあるが、あまりハッキリした定説が無いように思える。 主にドイルドが扱う魔術は、神託、予言、呪歌、天候操作がメインと言えるが、近代魔術学を視点に置いて考えると、呪歌を除いた、殆どが霊感や自然霊に頼るものであり、自己の無意識から力を引き出す「技術」とは異なるように見える、だが、不安定な要素が多い儀式魔術などに比べて、自身が「回路」となるのだから、霊的な力をコントロールすると言う点においては優れているのではないだろうか?…少なくとも自身が「回路」になるのでは無く、自己の内側より呼んだ力によって、何らかの作用を引き起こそうとする、儀式魔術は不安定であり、予測していない作用を起こす事も少なくは無いし、失敗が重なる事もある為、それよりは霊的な力の安定精度は、比較的に高いものではないかと考えられるのだが、ドイルドの魔術が霊感に頼る所が多い以上、彼等の魔術は特別な才能がある者にしか習得できない、よって常人が習得するのは、非常に困難なものだと思う。
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