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キイッ
私達をホテルまで運んでくれた車が、ブレーキを踏まれて停車する。
『ありがとうございました』
『どもっす』
『ご苦労様でした』
車を降りながら、私達は三人揃って運転手さんにお礼を言った。
『いやー、もう思いっきり滑って満足したわ!』
あれから私は、上級者コースに何度もチャレンジしていた、中級者コースでは物足りない感じがしていたので、久しぶりにあの急斜面を滑り降りるスピードが堪らなくて、ついつい2人の事も半ばほっぱらかしにしたまま、滑りまくったのである。
『霧島さん、あんなに滑ったのに、まるで疲れた様子がありませんね』
黒澤さんは多少ながら疲れた様子で私にそう言ってきた、雲野さんと2人で初心者コースでスキーの練習をしていたけど、何せ殆ど滑った経験が無いそうだし、緊張で余分に体力を消耗したに違いない。
『全然バリバリです、また滑って来いと言われたら何回かいけますよ?…何でしたらナイターに行きましょうか?』
『霧島ちゃん、今日はさすがに勘弁して…』
雲野さんはグッタリしながら、そう言ってきた…う~ん、さすがに四時間以上も滑ってたから厳しいかな;
それにしても木村君は、ホテルに残って何をしてたんだろう。
………あああっ;そうだ…今夜は…2人っきりなんだ~!;
再び私は頭を抱えた。
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