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エレベーターが五階に到着し、俺はちょっと駆け足気味に部屋へ向かい、鍵を開けて室内を覗いてみる。
………………
『霧島さん?』
一応声をかけてみるが、何の反応もないし人が居るらしい気配も無い。
どうやらスキーから、まだ帰って来ていないようだった、俺は余計な面倒事が増えずにすんで「ふう」と息を吐くと、部屋の中に入る。
『さて、何をしようかな』
部屋に戻ったものの、特にやることが思い当たらない、かと言って再び一階に向かい、ホールの左側の通路に何があるかなんて見に行くのも面倒だ。
『ん~…魔術武器の手入れでもしようっと』
そう独語した俺は、荷物が置いてある寝室に向かう、そこにはホテルに到着した時と同じく、霧島さんの鞄も、俺の鞄も静かに置かれたままだ、いや…それが当たり前で、中身が出されてたら大問題なのだが…。
俺は鞄を開き、まず薬を確認する、不眠症に加えて霧島さんと同室、しかもベットは隣…と、ただですら眠れないのに、拍車がかかるシチュエーションだ、なので睡眠薬はある意味でアレルギー薬より重要な役割を果たす。
『うん、大丈夫だな』
持ってきた薬が、全て揃っているのを確認してから鞄にしまう、そして最初の目的である魔術武器の手入れをする為、それぞれの品を引っ張り出した。
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