ホテルとスキー…

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特に不思議な現象を起こす品物は、強力かつ質が非常に悪いので手放すのがベスト、何らかの不可思議な現象を目の当たりにすれば、不気味な反面その不思議さに魅力を感じる人も居るだろう、だが、その不思議な現象によって魅力されているのだ、ある意味で憑かれていると言っても良い、そんな訳で「不思議な現象を起こす物」は買わないのが一番、中に宿っているのが良い霊ならば、そんな「目に見える不思議な現象」は殆ど起こさない、親や友人のように静かに見守り、さりげなく助力してくれるものだ。 ……………………… 長々と魔術武器を拭きながら、それら品々に関する事柄を考えている内に、いつの間にか一時間以上も経っていた。 『もうこんな時間か…霧島さん、随分と遅いな』 ホテルの窓から見える外は、既に日は落ちて暗くなっている、昼頃に別行動をとったから、ゆうに四時間以上になる。 『よっぽど楽しいのかもな、ま、毎日のように俺の部屋に来ては魔術の話ばかりだから、たまの普通の会話やスポーツが楽しいんだろう』 そう独語しつつ、手入れを終えた魔術武器を手に取って、アサメイとリングを除いた品々を再び鞄の中にしまった。 『ふむ…』 手入れが終わると、また手持ち無沙汰になる…さて… 『寝よう、おそらく眠れないだろうが…寝てやる』 そう言って俺はベットに潜り込み、静かに目をつぶった。
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