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「この子を頂こう」
「ありがとうございます…」
冷たい棒からの外から2つの声がした。
1つは時々聞く声。1つはごはんくれる男の声…。
でも、明るい時が3つあった時からごはんくれる男の声がちょっと違う。
なんでだろ?
「しかし、奴隷制度廃止っとなっては、貴方も大変ですね…」
「えぇ…、まったくですよ…。
ここにいる奴隷達をその期間になる前に売らなければいけませんからね…。
旦那だけですよ…。今でもこうしてお買い求めをしてくれる人は…」
時々聞く男の声といつもごはんをくれる男の声が近づいてきた。
あたしは、冷たい棒の近くから逃げた。
「ん?こいつも売るのか?」
「えぇ…、仕入れた時は高くて、手に入れるのがやっとだったのですがね…。
見せ物屋なら買うと思い踏み切ったのですが…
廃止が決定してから、パッタリ客が来なくなってしまいましてね…。
売るに売れない状態になってしまいましたよ…」
時々聞く声の男の姿が棒の外から見えた。
金色の短い髪の毛。いつもごはんをくれる男と違って、顔がしわくちゃ。
片方の目に、透明なのを付けていた。
「ふむ…、竜の血を告ぐ少女か…。
奇怪なものだな」
「姿も姿ですし…。物好きなお客しか買って行かないと思うんですよ…」
棒の外から金色の短い髪の毛の男がいなくなった。
「……よし。なら私がその物好きな客人になろう」
「ほ、ホントですか!旦那!」
ごはんをくれる男の声が大きくなった。
耳に響いた…。
「あぁ、だが今は持ち合わせが無い。
屋敷に戻り、ほとぼりをまってからだと…、数ヵ月後になるが、それでも良いか?」
「えぇ、全く構いません!
ホント!ありがとうございます!」
いつもごはんをくれる男の声がいっぱい、いっぱい…。大きな声を出してる。
あたしは奥に逃げて、体を丸めた。
「では、また」
「はい!ありがとうございました!!」
時々聞く男の声が無くなった。
そして、ごはんをくれる男が冷たい棒の外から、声が聞こえた。
「へへ…、やっぱりお前を買っておいて正解だったよ…
ほら、お客様が帰ってくるまでくたばんじゃねぇぞ」
そう言って男がごはんをくれた。
いつもよりいっぱいだ!
あたしは急いで近付いて食べた。
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