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甘い欠片を空に放り投げ、キラキラと陽光を反射させながら落ちてくる其れに食らいつく。
「美味しい~っ」
袋いっぱいの金平糖の提供者は、近藤さんや山崎さんや島田さんだ。
甘いもの好きの私に彼らはいろいろなお菓子をくれる。
お返しできることと言えば、お茶を淹れることぐらい。
それでもいいと言ってくれるので、いつも通りお茶を淹れた後、誰もいない縁側に座って、行儀悪く投げ食いしているのである。
永倉さんあたりがいたら、きっと「ガキ」等と馬鹿にするのだろうけれど、昨日がお給金の日だったので島原から帰ってくるワケもない。
もう一度放り投げ、落ちてきたそれに食らいつく。
「美味しい~っ」
幸せをかみしめていると、クスクスと笑う声が聞こえた。
「器用だねぇ」
楽しそうな声に満面の笑顔で応える。
「昔から得意なんですよ」
自慢げな様子にクスクスと忍び笑いを漏らしつつ、隣にしゃがみ込む。
そして、大きな手を差し出した。
「俺がやってみてもいい?」
快く渡してから、私は自分の甘さを知ることとなる。
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