キラキラ

3/3
前へ
/88ページ
次へ
-数分後-  私の周りにはキラキラとした欠片が散らばっている。 「あ~ぁ」  すまなそうな近藤さんの姿に、怒る気も失せてしまった。  キラキラの中に寝転がる。  右を向いても、左を向いてもキラキラ。 「ふふふ」 「あの~……?」  幸せだなぁ。  近藤さんがいて、甘くてキラキラしたお菓子があって、平和な今が何よりも。 「幸せ~っ」 「へ?」  呆けた表情の近藤さんに説明してみる。 「だからですね。  近藤さんがいて、金平糖があって、キラキラしてて、平和だなぁって」  だから、幸せ。  そういうことかぁ、と呟いた近藤さんは私のそばに膝をついて、優しい声で囁いた。 「だったら、俺も幸せだなぁ」  目だけで何故と問う。 「君を独り占めできるからさ」 ――了
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加