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―翌朝―
屯所内に乾いた打撃音が鳴り響く。隊士達が朝稽古をしている音だ。
沖田も参加したが、そそくさと早めに切り上げて着替えてしまった。
縁側で草履をはいていると、原田左之助が話し掛けて来た。
原田『なんだぁ?最近、随分と熱心に出掛けてんじゃね~か?まさか女でもできたんか??』
あっはっはっと屈託無く笑うその豪快な笑顔に、沖田もつられて笑顔になる。
沖田『あはは、私に色恋沙汰なんて有り得ないでしょう?まぁ、当たらずとも遠からず…って所かな?「女」というより、怪物ですがねぇ~。』
クスクスと笑う沖田を見て、原田は怪訝そうに首をひねった。
沖田『それじゃまた!』
明るく手を振って、沖田は屯所を出て行った。
原田『う~ん、アイツ、鬼退治にでも目覚めたんかな。変なヤツだ。』
原田は不思議そうに頭を掻いた。
沖田は昨日のあの場所へ向かった。未だ其処に女が居るのかどうかは分からないが、今度また会えたら話しをしてみようと心に思っていたのだ。
そして―――
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