一人

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「…………そうか。」 私は、男の頭を撫でながらその話を聞く。 その人形の話をする時、男は子供のような顔になる。一生懸命苦しみに堪える。寂しくて、泣き出しそうな顔……。 その気持ちが溢れそうでどうしようもなくなった時、だいたいここに来る。 「その人形の事は、今でも好きか?」 「好き、これからもずっと……。」 ギュゥッ 「クスッ……そうか。」 コイツは、ただの人形を造ってるわけではない。 普通の人形には無い"心"というものを入れる。 だから私達は、怒りもするし、人を愛することだって可能なのだ。
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