139人が本棚に入れています
本棚に追加
太地は居間に通された。
雀「適当に座ってくれ」
雀が座布団を太地に渡す。
太「はぁ…
…雀さんはここに住んでるんですよね?」
雀「?そうだが?」
さも当たり前のように言う雀。
太(こんな汚い所に住んでるって…;)
扉の近くも充分汚かったが、居間も酷かった。
太「そういえば…他に人はいないんですか?」
雀「ここに住んでる人は私一人だ」
太「え?
雀さん…親は?」
雀「親?
餓鬼じゃあるまいし…一緒に住んでるわけないだろ」
ハッと鼻で笑った。
太(餓鬼じゃあるまいし…って…アンタいったいいくつだよ…)
どこをどう見ても、十歳前後にしか見えない。
雀「私の話はいい
で?なんで仕事を探してるんだ?」
本当にどうでもいいのか、雀はさっさと話を変えた。
太「そうですね…
実は…借金を抱えていて…」
太地の話はこうだ。
借金をした友達が太地を保証人にし、そのまま行方知らずになってしまった。
太地は多額の借金を返す為に、仕事を探してるという事だ。
話をし終えた太地は、チラッと雀を見た。
雀は太地を見て考えているようだ。
太(!!…また瞳の色が赤に変わった)
今度も一瞬だけだったが、太地ははっきりと見た。
最初のコメントを投稿しよう!