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「そうさ。僕たちは僕たちであって、アレスでもあり、アレスは母でもあるんだ」
「分からないわ」
つまらない。と不満そうに少女が俯いた。
少年がどこか申し訳なさそうに少女を見詰める。
「君にはまだ難しかったね」
「つまらないわ。お兄様、わたし、いつもみたいに楽しい話が聞きたいわ!」
少年にすがり付いて少女がそういうと、少年は微笑んだように頷いた。
途端、二人は鈴のような綺麗な声を発しながら、空の彼方へ羽ばたいていった。
双子の小鳥のお話。
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