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俺はその後、歯磨きを済ませ、母から弁当を受け取りカバンの底に入れた。
「行ってらっしゃい。勉強も頑張るのよ。」
「よけーなお世話だって。行ってきます。」
カバンを肩にかけて八時前、俺は家を急ぐように出発した。
学校はそこまで近いところにはないのだが、自転車にはどうも違和感を感じるので毎日歩いて通っている。
ドアを開けると夏風が緩やかに心地よく吹いていた。
家の前にある小さな階段を下りて、近所の細道を歩き始めた。
軽く口笛を吹きながらしばらく歩いていると後ろの方から俺を呼ぶ声がした。
振り返ると自転車を漕ぎながら誰かが近寄ってきた。
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