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白球とはいえない使い古された硬球がグランドを飛び回る。
まぶしい照明の下で野球少年たちがそこを駆け回る。
六月二十七日、大会まであと三日となり、部員たちの目の色も変わりつつある。
俺はバットを握りしめ、前から飛んでくるボールを大きな金属音と共に打ち返しす。
そのボールはワンバウンドしてレフト側のフェンスに当たり、ガシャンと音を立てる。
「勇、絶好調だな。」
「あぁ、この調子だと最後で最高の試合が出来そうだ。」
夢のことなど全く忘れて野球に集中できる、この時、瞬間が俺にとっての幸せだ。
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