序章

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この町は一年の半分は雪で埋まっている。 観光地もなく遊ぶ場所も限られ、人の種類は自然とはっきり分かれてる。 勝ち組と、負け組。 私、九条凛はこのちっぽけな町で判定づけられるものに勝ち組と言われていた。 貧乏で家もボロボロの私が勝ち組と言われる理由。 それはこの容姿のせいだった。 小さい頃は幼稚園はもちろんの事、保育園さえ行かせてもらえなかった。 毎日母親は見知らぬ男を連れ込み、その間の昼前から夕方まで外に追い出され小さな私はブラブラと歩き。 青白い程透き通った肌に漆黒の長い髪幅が広い二重に乾かない唇と筋の通った鼻。 中身もまだ純粋だった小さな私は近所の人達や通りがかった人達にとても可愛がられた。 小さいながらに私は大人はどうすれば喜ぶか分かっていたし、それを純粋に利用していた。
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