友達-ナカマ-

2/8
前へ
/49ページ
次へ
テトラは合流したライと共に街を歩いている。 しかしぶらぶらしているからといって目的がないわけではない。 彼らは仕事の準備をしているのだ。 ・・・今日の鴨-ターゲット-を見付けるという準備を。 「なぁライー・・・今月って金あとどのくらい残ってるっけ?」 歩きながらテトラが尋ねた。 「昨日入ったから・・・そうだな300Gぐらいなら残ってるだろ」 ライは顔を見ずに答えた。 そして一言。小声だが鋭く 「失敗するなよ」 とだけ言った。 この国では100Gがパン2個相等とされている。 それなのに所持金が300Gの二人があと10日も残っている月を乗り切るのはきついものがある。 彼らは職に就いていないので安定した収入を得ることもできない。 だからこそ 彼らの失敗は許されないのだ。 「わかってるよ・・・ わかってる・・・」
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加