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そうはいったものの都合よく鴨が現れることもなくて、
「早くみつけないとな・・・」
口から零れるのはため息ばかりだ。
ふと立ち止まり天を仰ぐ。
空なんて見えない、機械を張り巡らした天上。
こんな街にも
青空に憧れている人間がいる。
青空を見たいと願う自分がいる。
先の未来。
いつか空を取り戻すその日までずっと、ずっと――――
「・・・空・・・・・・か」
いつの間にかライも立ち止まり同じ様に見上げていた。
「・・・?」
ぼそっと呟いた言葉に首を傾げると彼は「なんでもない」と返し歩きだした。
「・・・空・・・ね」
――俺たちは歩き続けるだろう
テトラもそれを追い歩きだした。
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