8人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁ・・・」
相当な距離を走って少し乱れた息を調える・・・ライ。
「ここまで来れば大丈夫かな・・・?」
心配そうに言うテトラは全くといっていいほど乱れがない。読書していましたと言っても通じるほど穏やかな呼吸を繰り返す彼に
「化け物かよ・・・」
完全に落ち着いたライが呆れたように言った。
「俺は“力”を使ったからな」
ニッと笑いテトラが返す。
「俺からすれば力を使わずに少ししか息が乱れてないお前の方が化け物だけど?」
「素敵な冗談をありがとう・・・それはさておき、テトラ怪我はないか?」
「・・・・・・・・・は?」
ポカンとするテトラ。
「え・・・と幻聴かな・・・?」
なんて言い出す始末。その失礼極まりない様子にライは眉を寄せた。
「俺は大丈夫かと聞いたんだが?」
ライは何を戸惑っているのか理解でいないと言いたげな目を向ける。
「で、YesかNoか?」
「だだ大丈夫・・・デス」
「良かった」
テトラは驚きを隠せずにいた。
自分の失敗を責めてくると思っていたから。
(なんでだ?)
テトラはわからずにいた。だから彼はライに尋ねた。
「悪い物でも食ったか?」
「・・・・・・尋ねるべきことが違うと思うんだが?」
「冗談だ。・・・なぁ、なんで失敗のこと責めないんだ?」
「・・・誰でも失敗の一つや二つぐらいするものだろう?終わったことを責めても仕方がない」
ライは肩をすくめるとそう答えた。
「いっつもは責めるくせに・・・(ボソ)」
「何かいったか?」
「ひっ!いえ、何もいっておりませんライ様!」
小さな呟きが耳に入りギロリと睨まれたテトラは半泣きだ。
「・・・まぁいいだろう」
はぁとため息をつくとライは背を向けた。
最初のコメントを投稿しよう!