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トントントントンとリズミカルな音と共に少し音程のおかしな鼻歌が台所より聞こえる。
その隣のリビングからはラジオの音。
そうこうしてれば賑やかにこの部屋に向かってくる足音が――――――――
バシャッ!!!
身を切るような水の冷たさに歯が噛み合わない。さらに風が吹き付け凍える。
顔を洗うと冷えた体を摩りながら室内に戻った。
そのまま物音一つしない台所へ向かい、夕べ用意したスープの入った鍋を火にかける。
温まるまでの数分、テトラは台所を見渡していた。
簡素な台所には必要最低限の物しかない。いや、今となっては数が多くなった食器が食器棚に収められていた。
「なんであの時・・・・・・」
呟きは冷たく落ちただけだった。
思い出したように鍋をのぞく。
湯気とともに食欲をさそう匂いが鼻を通る。
「そろそろいいか・・・」
温もったそれを皿に注ぎ、ずずっと啜る。
「はぁ・・・うまい・・・」
体は僅かに暖まった。
しかし冷え切った心が暖まることはなかった。
テトラもう一杯皿に注いだ。
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