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「――――あぁ、そうだ」
何かを思い出したように口を開いたライに疑問符を浮かべる。
「俺が勝ったのだから何かしてもらえるんだろう?」
「はい!?」
とんでもないことを言いだすライに目を見開く。
「それはマジでしょうか」
「なんだ?してくれないのか?」
「えっ!?本気で言ってる?!」
ライはにっこりと笑う。・・・それは恐ろしい程に。
「もちろんしてくれるよな?」
「え、うそ・・・」
「してくれるよな?」
「う・・・」
「・・・するよな?テトラ君?」
「喜んでやらせて頂きます!!」
素晴らしきライの笑顔の恐怖に打ち勝つことが出来なかったテトラ。
どこか身の危険を感じ、素直に従うことにした。
ライが笑っている間周りの気温が氷点下を回っていたそうな。
* * *
ライは満足気な笑みを零すと機材の上に腰を下ろした。
「そんなにやりたいなら早くいえばいいものを・・・」
(・・・・・・)
長い足を組み、いつの間にか拾いあげた本を開く。
「じゃあ、さっそく―――」
本に目を落としながら言う。テトラはごくりと唾を飲み込んだ。
「タダで手に入る基地見付けてこい」
その言葉にテトラの思考は停止。
ライは変わらず文字をおっている。
「返事は?」
ライの言葉に再び動き出した。しかし戸惑いから動きが鈍る。
「い・・・いいのか・・・?」
「・・・・・・それは承諾したとみるぞ。ほら時間がない。早く行け」
「あ、あぁ!!」
テトラは満面の笑みを浮かべ、考えるより先に走りだした。
ライはそれを見て目を細める。
口元に笑みが浮かんでいたことに気付かないまま、数ページ前を開き、目を通し始めた。
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