出会い-アナタナナカマ-

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「汚い」 基地に入って早々放たれた言葉。 ライは眉を寄せている。 「そりゃあ長い間使われてなかったみたいだから・・・仕方ないだろ」 テトラは苦笑しながら足元に倒れていた椅子を起こした。 「・・・・・・テトラ」 「ん?」 静かに名を呼ばれ顔を向ける。 そして告げられた。 「掃除するぞ」   *  *  * 「っくしゅ」 はたきで写真の埃を落としていたテトラ。 マスクもせずにやっていたら当然クシャミの一つぐらいでる。 しかしその直線上にライがいたわけで、 「馬鹿が・・・こっちを向いてする馬鹿がどこにいる。少しは考えて行動しろ、この馬鹿が」 罵られる。 一回口を開いた中で馬鹿が三回も用いられているほど彼の機嫌は悪くなった。 「飛沫が・・・」 「あぁ悪かったって!」 まだ続きそうな罵倒に終止符を打つ。 「気をつけるから」 そう言って、じとっと睨まれたのは言うまでもない。
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