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* * *
向かった先にいたのは、複数の男と一人の少女。
悲鳴はたぶんあの赤髪の少女のものだろう。
「っと、捕まえた!」
一人の男が逃げていた少女の腕を掴んだ。
「!?」
少女の顔が苦痛に歪む。
脂顔の男がニヤリと笑った。
「もう逃げれないぞ」
「テトラ、どうする?」
影から様子を伺っていた二人。
「どうするも何もこれはベタな展開へもっていくしか・・・」
止まっていた二人だったが、
「おとなしくしろっ」
脂顔の男が腕を振り上げたのを見て飛び出した。
否、飛び出そうとした。
「がはぁ!!」
脂顔の男が吹っ飛んでいく。
「あたしに触んな・・・ってーの!」
「ぐぁあっっ!!」
少女を中心に次々と倒れていく男たち。
「ふぅ・・・ったく懲りない人たちねぇ」
少女がパンと手を払った時、その足元に倒れる男の数は10数。
あまりに唐突な出来事に二人は立ち尽くしていた。
「例外的出来事もあり・・・か」
ライがぽつりと呟いた時、
「――――ん?」
「・・・あ、・・・・・・どうも」
少女と目が合った。
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