出会い-アナタナナカマ-

6/7
前へ
/49ページ
次へ
  *  *  * 基地にて。 「―――で、お前は何者だ?」 腕組みをしたライが問い掛ける。 にらみつけるライにニッと笑みをむけると、二人の方を向いて話し始めた。 「挨拶が遅れちゃったねぇ。 アタシは“アスナ”。 この街の踊り子さ。 アタシみたいな下手な踊り子でも、踊り子ってだけで金になるからね。だからアタシを売ろうとあいつらは追って来たんだ」 それになるほどと頷いたテトラ。 「家名は?」 ライは表情を変えず問うと少女もといアスナは苦笑いを零した。 「あいにくいいとこのお嬢様ではないからね。それにこの国の生まれじゃないから」 「この国じゃない?」 「そう。ここからずっと遠くから来たんだ。両親が旅芸人でね」 首をかしげるテトラに優しい声色で説明するアスナ。 「それは一先ず置いておくとして、」 話の先を促すライ。 「テトラとの関係は?」
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加