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* * *
基地にて。
「―――で、お前は何者だ?」
腕組みをしたライが問い掛ける。
にらみつけるライにニッと笑みをむけると、二人の方を向いて話し始めた。
「挨拶が遅れちゃったねぇ。
アタシは“アスナ”。
この街の踊り子さ。
アタシみたいな下手な踊り子でも、踊り子ってだけで金になるからね。だからアタシを売ろうとあいつらは追って来たんだ」
それになるほどと頷いたテトラ。
「家名は?」
ライは表情を変えず問うと少女もといアスナは苦笑いを零した。
「あいにくいいとこのお嬢様ではないからね。それにこの国の生まれじゃないから」
「この国じゃない?」
「そう。ここからずっと遠くから来たんだ。両親が旅芸人でね」
首をかしげるテトラに優しい声色で説明するアスナ。
「それは一先ず置いておくとして、」
話の先を促すライ。
「テトラとの関係は?」
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