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「アタシの怪力が“力”によるものだってわかっただろう?そろそろ、ここの掃除&修理を再開しようじゃないか」
アスナが背を向け、さっと歩きだす。
テトラが何か言い掛けたが、ライが止めた。
「あ、そうだ」
何かを思い出したのか、立ち止まったアスナ。
「ちょっと気になるところを見つけてさ・・・来てくれない?」
振り返り二人に声をかける。
そして、二人が返事を返す前に腕を掴みスタスタと歩きだした。
* * *
着いた先は二階の一室。昨夜アスナが使った仮眠室だ。
「アレ見て、見て」
部屋に入るなりアスナが天井を指差す。
二人が先を見ると、そこには天井裏が見える穴が。
人が抜けられるほどの大きさのそれは、今風を通していた。
「結構大きな穴でしょ?」
「だな。これは塞ぐべきだな」
ライが相槌を打つ。
「夜は寒くなかったのか?」
テトラがそう尋ねると、アスナはキッと眉を上げた。
「寒かったから塞ごうって言ってんの!寒くなかったらそんなこと言わないわよ!」
「・・・そうですよね・・・はい」
どうやらアスナの方がテトラの中で上らしい。
小さくなった彼をライが笑っていたのは誰も知らない。
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