地図-ナゾ-

4/7
前へ
/49ページ
次へ
「アタシの怪力が“力”によるものだってわかっただろう?そろそろ、ここの掃除&修理を再開しようじゃないか」 アスナが背を向け、さっと歩きだす。 テトラが何か言い掛けたが、ライが止めた。 「あ、そうだ」 何かを思い出したのか、立ち止まったアスナ。 「ちょっと気になるところを見つけてさ・・・来てくれない?」 振り返り二人に声をかける。 そして、二人が返事を返す前に腕を掴みスタスタと歩きだした。  *  *  * 着いた先は二階の一室。昨夜アスナが使った仮眠室だ。 「アレ見て、見て」 部屋に入るなりアスナが天井を指差す。 二人が先を見ると、そこには天井裏が見える穴が。 人が抜けられるほどの大きさのそれは、今風を通していた。 「結構大きな穴でしょ?」 「だな。これは塞ぐべきだな」 ライが相槌を打つ。 「夜は寒くなかったのか?」 テトラがそう尋ねると、アスナはキッと眉を上げた。 「寒かったから塞ごうって言ってんの!寒くなかったらそんなこと言わないわよ!」 「・・・そうですよね・・・はい」 どうやらアスナの方がテトラの中で上らしい。 小さくなった彼をライが笑っていたのは誰も知らない。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加