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ザザァァァっっ!!
砂とアスファルトの擦れる音と共にテトラは足を止めた。砂埃が巻き上がる。
テトラは近くに人影を探した。
右、左、上、下・・・
「あれ?集合ってここだよな・・・?」
誰もいねぇし・・・
そう思った時
「――――随分遅かったな、テトラ」
冷たい声が響いた。その聞きなれた声にテトラはすぐさま周りを見渡す・・・が、姿を確認できない。
「上だ馬鹿」
と指摘され上を見ると近くにあるコンテナの上に人影があることに気付く。
「今何時だと思ってるんだ?」
そこにはいかにも不機嫌そうに眉を寄せている少年の姿があった。
人工の光が彼黒髪に隠れた顔を照らし蒼白く浮かび上がらせる。
「ライ!これにはふかぁーい訳が・・・」
「ふん、お前の事だ。どうせ寝坊したんだろう?」
「ゔ・・・」
図星をつかれ何も言い返せなくなるテトラ。
ライと呼ばれる少年はため息をつくと、自分の三倍以上の高さのコンテナより跳びおりた。そしてストンと軽い音と共に地につく。
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