その再会はきっと、

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よく晴れている。 今日は、この日本では“日曜日”という、一種の休日らしい。 街には人が溢れ、会話が飛び交い、子どもたちの歓声が響いている。 ソレスタルビーイングの活動再開から一年と少し。 世界は突き付けられた平和の正体に少なからず動揺を隠せないでいたが、日本経済特区ではその限りでもないようだった。 もともとの気質か、指導者の誘導かは定かではないが、この辺りに住む者たちのほとんどは、世界の歪みをどこか他人事のように捉えている。 そういった“無意識の悪意”が、思いもかけない出来事を引き起こすことにも気づかないまま。 「…この国は平和だわ」 マリナ・イスマイール。 アザディスタン王国、第一王女である彼女は、故郷で太陽光発電システムを有効利用していく方策のひとつ、科学者育成を目的とした学校を創設するための、指導者となる人材を誘致するために日本にやってきていた。 .
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