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煙草を灰皿に潰した俺を見て奏が俺の頭を腕に抱きよせた。
少し笑ってから黙り込んだ俺を心配したのか情けねぇ…
「なぁ悠司…
よくわかんないけどさっ猫は幸せだったと思うよ。
そりゃ人間にひでぇことされて苦しかったろうけど、猫はそれでも少年を愛してたんじゃないかな。
最後の少年の言葉だってきっと聞けたよ。
………って、おぃ何で泣いて、んの悠司」
「ーーっ」
いつだってお前はそういう奴だよな、奏。
俺の欲しい答えをくれる。
不意に涙がこぼれ落ちたのには目を瞑って欲しい。
きっと俺は一生お前の事でしか涙を流さないだろうし。
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