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広間の前に立つと、ピンクのワンピースにエプロンをつけた少女が微笑みかけました。
「リンリン、お疲れ様」
「姫様、ごゆっくりお楽しみ下さいませ」
リンリンと呼ばれたメイドは扉をていねいに開けると、姫が広間へ通るように促しました。
「ありがとう」
彼女が広間へ入ると、広間中の視線が姫へ向けられました。
「マーン姫だ!」
「美しいわ」
「なんてかわいらしいんでしょう」
賞賛の声が聞こえました。
広間には赤、青、黄色、銀――さまざまな色のドレスを着た人々がいちごのカクテルやジュースが入ったグラスを片手に、頬を染めながら姫を見ています。
他の星の姫や王子、執事達もこのパーティーを楽しんでいるようです。
姫はニコッと笑って軽くお辞儀をすれば、華麗な足取りで広間の奥へ歩いていきました。
歩きながら、お客様達に会釈をしていきます。
大きな広間には丸い机がいくつも並び、ケーキやチョコレートなどのお菓子や、宇宙一おいしいといわれているストロベリー星のいちごがたくさん皿に盛られています。
いちご色の壁紙に、牛乳をかけたような白いライトが光り輝いてゆらゆらと揺れています。
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