Sweet Sweet Strawberry

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「カナ君、ずるいYO! ワタクシもマーン姫とお茶したいYO!」 「あ、貴方は蒲焼きさん太郎の国の王子のメッグーオ・ヤ・マダマダ?!」 背後から現れた男に、カナは声を上げました。 「あら、マダマダ王子様も一緒にどう?」 「一緒するYO! ワタクシのことはメグって呼んでYO!」 「はい、お茶ですよ」 メッグーオの言葉に何も答えず、りんごでできた赤いティーカップを差し出しました。 彼は姫の隣に腰を降ろして、長い足を華麗に組みます。 そしてうれしそうに綺麗な顔で笑いました。 「君の笑顔はどの花よりも美しいYO、マーン姫」 「ちょっと、マダマダ王子。姫を口説くのはお止め下さい!」 「うふふ。カナとマダマダ王子は仲がいいのね」 「違います! いくらマダマダ王子が宇宙一美形だと称されていても、性格も、話し方も気に食わないです」 怒ったように彼はティーカップをクッキーの机に乱暴に置きました。 「ひどいYO、カナ君」 「ひどくないです。僕は貴方の見た目には惑わされませんから」 カナはそう言ってメッグーオを睨みつけました。 王子は余裕の表情で足を組み直します。 「ワタクシと勝負するつもりかい? カナ君」 「いいでしょう」 カナがそう答えれば、鐘の音が響きました。 金色に光る飴でできた鐘の音は、綺麗な高い音をこの星中に響かせます。 「あら。もうおやつの時間は終わりね」 おやつの時間の終わりを告げるチャイムに姫は立ち上がりました。 それを見てカナとメッグーオは視線を姫に移します。 「お待ち下さい、姫」 「早く行きましょう、カナ。それでは、マダマダ王子。ご機嫌よう」 「いつでも会いに来てYO、マーン姫」 姫はメッグーオに手を振れば、美しい髪を甘い香りの風になびかせて歩き出しました。 .
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