序章 ~開~

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SCENE1,INTRODUCE ――夜の虚空に光閃き―― 「ふむ……」 しん、と静まり返った夜の森。 光もほとんど無い、暗き深緑の世界。 誰も居らず、故に発せられる言葉もないはずの、無人の世界。 その、無人の世界で。 「決した、ようだな……」 しかし、呟かれている言葉がある。 「また、乱になろう……」 重く低く響くその声の主は無く。 しかし、その声ははっきりと何も無い虚空に響く。 「また、新たな主と共に天空を駆ることになる」 ――八つの光、一つ所に集いしとき―― 「世界はつながった……」 ――世の扉開きて―― 「さて、今度こそ真の主たるものは現れたのであろうか」 ――すべての世に光もたらさん―― その主の姿が無かった声の呟きが終わったとき。 其処には白き有翼の幻馬の姿があった。
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