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「何……?」
かっ、と。
一瞬天に閃いたその光を、黒衣に身を包んだその男は見た。
窓から空を見上げるその男の名は、ポール・アレン。
大国・ロンテース共和国軍の准将にして第六部隊司令官である。
――八つの力、一つ所に集いしとき――
「今の光は……」
ロンテース共和国は世界の中心として世を統治しているスカイフォン統治連合に反旗を翻すいわゆる改革国家である。
――其の力、悪しきに応ふれば、世また其に応ず――
「まさか、な。いや、しかし……」
よって、統治連合とは交戦中……だったのだが、両国と程近い位置にあるもう一つの国――孤立した軍事国家・ストライフ共和国である――が、最近不穏な動きを見せているというので、ひとまず休戦して警戒体勢を敷いている。
「――災渦に呑まれて世は滅びん、か。口伝でしかない伝説を信じるつもりは無いが、情勢の不安定は確かだな」
ふむ、と軽く思案しつつ、黒い男は独り言を続ける。
「上に報告しておくか。伝説を信じている連中はこれまでより積極的に動いてくれるようになるやも知れん」
そういって、男は部屋を去った。
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