序章 ~開~

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「……え、と。質問、よろしいでしょうか?」 って、ああ、何か敬語になっちゃってるし。 いや、つい。 「うむ、そうかたくならずとも良いぞ。言ってみよ」 「えっと……帰るにはどうしたら良いんでしょう」 なかなかに直球な質問。 向こうからしたら割と空気読めてない質問なのかも知れないけど、こっちにも余裕なんて無い。 ……でも敬語になってしまうのは否めないんだけどね。 「ふむ。残念ながら私からはまだなんとも言えんな。ただ、容易でないことは確かだ。安全な世でもないゆえ、良く考えて行動するが良い」 と。 なんだか物騒なことを言うだけ言って、 「ではな。運が良ければまた相見えよう」 そのまま、すぅっと消えてしまった。
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