プロローグ

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??「僕にも全然わからなくて ただ、何もわからないまま、でも何かに引き寄せられるように、この町に来てしまったのです」 マナ「そうなんだ それじゃ、これから行くアテもないの?」 ??「はい」 そんな青年の返事を聞き、マナはダグラスと小声で相談を始めた。 マナ「……お父さん、あの牧場を貸してあげたらどうかな?」 ダグラス「うむ……まぁ、たしかにあそこは誰も使ってないからな」 相談が終わったのか、マナは青年に向き治った。 マナ「ねぇ、よければ、この町にある牧場を使ってみない?」 マナの提案を聞いた青年は、驚いて言い淀んだ。 ??「えっ?いや、会ったばっかりなのに、そこまでお世話になるわけには……」 マナ「いいのよ どうせ誰も使ってないんだから 誰か住んでいてもらった方が安心なのよ、ね」 ??「いや、でも、その……」 さらに言い淀む青年に、ダグラスが怒鳴り始めた。 ダグラス「マナが使えと言ってるんだ! 男は即断即決! イヤとは言わさん!!!」 ??「は、はい!」 マナ「お父さん!」 ダグラス「……すみません」 マナは、話を強引に進めたダグラスを怒った。 怒られたダグラスは、しゅんとしながら謝った。 マナ「ホント、ごめん でも、牧場はえんりょしないで使ってくれていいのよ それに、あたしの家、雑貨屋なんだ 人が増えてお店にきてくれれば、ウチも助かるんだよね」 ??「そうなんですか じゃ、えんりょなく 使わせてもらうことにします」 マナに再度提案され、青年は少し考えたあと、了解の意思を伝えた。 その言葉を聞いたマナは、心から嬉しそうに微笑んだ。
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