プロローグ

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マナ「よかった それじゃ、さっそく行きましょう――と、名前がないと不便だね」 ラーガ「そうですね……じゃあ、ラーガ……ラーガって呼んで下さい」 マナ「ラーガかぁ うん、いい名前だね」 ラーガ「ありがとうございます」 青年の名前はラーガに決まった。 マナ「それじゃ行こう 牧場は、ここのすぐ東よ」 ラーガ「はい」 ダグラスを先頭に、マナ、ラーガと続いて牧場を目指して歩いた。 5分程歩くと、先頭を歩いていたダグラスが立ち止まり、青年の方に向き直った。 ダグラス「ここが、ウチの牧場だ 今は誰も使ってないから、えんりょしないで、使ってくれていいぞ、青年」 ラーガ「あ、ありがとうございます」 マナ「ここがラーガに使ってもらう牧場だよ」 ラーガ「けっこう広いですね」 マナ「でも、しばらく使ってないから荒れちゃってるけどね あはははっ」 マナが言う通り、牧場は雑草が生えていたり、木の枝や石が落ちていた。 ラーガ「耕せば大丈夫ですよ」 マナ「いいこと言うわねぇ~ そこで、なんとここにクワとじょうろがあります」 どこに隠してあったのか、マナの手元にはクワとじょうろがあった。 マナ「さ、持ってみて♪」 ラーガ「えっ、でも、なぜ?」 ラーガが不思議に思い、聞き返すとダグラスがまた怒鳴った。 ダグラス「マナが持てと言ってるんだ! 男なら持たんかぁぁぁ!!!」 ラーガ「はいぃ!」 ダグラスに怒鳴られたラーガは、マナからクワとじょうろを受け取った。 マナ「うわー似合うなぁ ステキ」 ラーガ「そ、そうですか?」 ダグラス「うむ まさに、畑を耕すために生まれてきたような男だな 天性の才能を感じるぞ!」 ラーガ「いやー、そこまででは」 マナとダグラスにお世辞で、ラーガは顔を真っ赤にして照れていた。 マナ「で、今なら、2つセットで100G お買い得だね♪」 ダグラス「な、なんと、2つで100Gなのかぁ!! これは安い!安すぎるな、青年!」 マナは笑いながら商品説明をして、ダグラスは大袈裟にリアクションをしてラーガにクワとじょうろを買わせようとしてきた。
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