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花瓶を持つのに邪魔になり、明かりを棚に置く。パデュマは恐る恐る玄関ホールを覗いた。
「これはこれは、お嬢様、起こしてしまいましたか」
かけられた声に顔を上げる。茶色の服に身を包んだ背の高い男性が、肩についた雨の雫を拭っているところだった。
「えっと……」
「申し遅れました。私は貴女の父上に従うシュトゥーリと申します」
ひざまづくシュトゥーリに、パデュマは眉をひそめた。
「こんな夜中に……」
「お嬢様!」
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