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気が付いたら闇だった、いつからこの“闇”の中にいたのか分からないくらい小さい頃からそこにいた。
街外れの人通りが少ない路地裏に、ボクは座って。周りを見渡せば同じような子が沢山いる。
街の人達はボクらの事を“ストリートチルドレン”と呼ぶ、いつからか、なんてのは分からない。
「ま、待てゴラァァ!」
「死にたくなければ走れ!!思いきり!」
汚れて廃れすぎた身体で働けるわけも無くて、お金も無くて。
だからボク達は一丸となって盗みを繰り返した、ニ~三人が囮になって二人ぐらいで店の商品を盗む。
そうじゃなきゃ生きていけない。
「ねぇ……キミは親に捨てられたの?」
「ボクにも分かんない、気がついたらここにいた」
「そっか、僕は捨てられちゃったんだ。邪魔になっちゃったのかな」
この路地裏には親に捨てられた、何らかの事故で家族を失った子が沢山いる。
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