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翌日、大人の魅力をふんだんに発揮した衣装を身に付けて、あまつさえ勝負パンツまで履いて田中高貴との待ち合わせ場所に向かって走った。
待ち合わせ場所に辿り着いたマキが目にした光景は…
黄色と黒のハッピを着て、鉢巻きやメガホンで完全武装した田中高貴だった。
「よぉマキちゃん待ってたよ、さぁ行こうか~」
気合いの入った田中高貴に手を引かれ、しばらく移動する事数十分、着いた場所は東京ドームだった。
実はマキは野球の事などさっぱり解らない。
ただ田中高貴と親しくなれる唯一無二のチャンスを逃したく無いだけである。
周りを良く見ると田中高貴と同じ様な恰好の集団が集まっていた。
黄色と黒の集団はかなり気持ちがドン引きするが、何とか話しを合わせようと数少ない野球知識をフル動員して言った一言が不味かった。
「え…と、ダルビッシュ選手って格好良いですよね。」
ピキーン!!!
周囲のファン達の時間が凍りついた。
ダルビッシュ選手とは相手チームの選手である。
しかも先日勝てる試合をダルビッシュ選手の完封でぼろ負け、ファン達には悪夢の出来事なのだから。
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