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放課後の屋上へと向かう途中の階段。
私は好きな人に告白をする為に、ある物を持って屋上に向かっていた。
登校する時に、下駄箱に手紙は入れた。
来てくれているだろうか?
私は不安になりながら、重たい扉を開き、屋上に出た。
好きな彼は、夕焼け空の屋上にいた――――
「来て、くれたんだ」
私は彼、ケン君に近付いてそう言った。
「あたりまえだよ、これ以上付き合ってられないからね」
ケン君は私にとても冷たい。
けれど、それはきっと照れ隠し。
「ねぇ、ケン君。私とその……付き合ってもらえませんか?」
私は告白した。
顔を真っ赤に染めながら告白した。
「何度も言ってるじゃないか!! 僕には彼女がいるから無理だって!! 好きになってもらえたのは嬉しいけど、何なんだよ!! 今日で――――」
「100回目の告白だよ。記念すべき100回目。今日この日、私達は一緒になるの!!」
「いいかげんにしてくれ!! もう僕に関わらないでくれ!!」
ケン君はヨクワカラナイことを言いながら、私の横を通り過ぎ、屋上を出て行こうとする。
だけど、それは駄目。
だって私、言ったじゃない。
キョウコノヒ、ワタシタチハイッショニナルノって。
私は隠し持っていた金槌を取り出し、ケン君に向かって走り出す。
そして――――
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