神がくれた一週間

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   六日目。月曜日。  消失はもう胸のあたりにまで及んでいて、自身の手まで見えなくなってしまった。大して不便でもないのが逆に不穏だ。今までの経験から、物も取れるし触れる。でもそれらの感覚はない。自分が世界と切り離されたように感じる。ま、それもあと少しだろう。あと少しで僕は消える。落ち着いている自分が一番不審だった。  なのに、僕は学校へ行く。別れの挨拶をしたい友人はたくさんいる。今、一緒に登校している未来もその一人だ。  彼女はしきりに僕の様子を伺ってくる。あの時のことを気にしてくれているのだろうか。好きな人が自分を気にしているのは満更でもないので、するー。再度進言つもりもなし。  彼女を悲しませたくないから。
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