神がくれた一週間

15/22
前へ
/22ページ
次へ
   放課後、未来に問い詰められた。友達との会話を、悪く言えば、盗み聞きしていたらしい。そこで、『この前同じこと言ってたよね。流石におかしい』みたいな思考に及んだのだろう。  真面目モードの彼女に諌言され、僕は一言だけ言った。 「明日、ずっと抱きしめててくれない?」  うん。ここまで死という現象が目の前に近づいてくると、怖くなってきた。怖いこわいコワイ。多分、僕は明日消える。肩のあたりにまでやってきた消滅がそれを物語っている。  だから、最後の望みを口にした。僕の存在を最後まで見届けてほしいから。  未来は大きく頷いてくれた。ああ、また眼前がかすむ。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加