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七日目。
鏡を見て、頭だけが宙に浮いているという、もうグロテスク以外の何物でもない景色をその目におさめながら、改めて悟る。
僕はこの日この世から消える。
こうなると最初の三日を無駄にしたことが激しく悔やまれる。轢かれてすぐ気付けば少なくともあと三日は余裕があったのに。なんて、あとの祭だけど。
朝七時。そんな早くから未来はやってきた。今にも泣きそうな顔で抱き着いてくる。あのまま冗談で済ませば、こんな顔はさせなかっただろうに。
でも、僕はこの温もりは感じることができた。安らかになれる。人生最後の我が儘として、許して下さい。
口から下はもう存在しない。
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