物語は賑やかに始まり、

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年中無休。 春夏秋冬。 世界中から何かと面白そうなイベントを見つけては、まるで自分の国の文化だと言わんばかりに大々的に宣伝し、商品を売り出し稼ぐ。 それをさほど疑問にも思わずに、そのルーツが何であるかも知らずにとりあえず祝ってしまうのは世界広しと言えど日本人だけではないだろうか。 まぁ、そんな事はないにしろ、結局当の本人達にはその由来が何であるかなどは大して問題ではないのだ。要は何かにつけて騒ぎ、盛り上がりたいのである。 2月14日、バレンタインデー。 これもまた日本にとってはお馴染みのイベントなのだが、元がどんなものか知っている人がどれほどいるだろうか。 いつの間にか女子が男子にチョコレートを渡すイベントになってしまっているのだが、まぁやはり多少なりとも女子と交流がある男子は期待してしまうものだ。 まぁ、そんな淡い夢も希望も無い野郎共は、リア充爆発しろという心からの願いが成就するよう祈りつつ、この世の全てを恨んで静かに枕を濡らす日なのだが。 さて、そんなバレンタインデーの数日前。舞台はお馴染み聖サントアンヌ学園。いやいや3年生がそんな日にハシャいでていいのかよとかを考えたらキリがないから無視する。 登場人物達の心を揺らし、惑わせながら、その結末を紡いでいく今回の物語。 結局のところ、相も変わらず緩い青春を送るだけの物語。 それは、とある金髪碧眼の馬鹿野郎のぼやきから始まった。
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