00:始めに。

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だが値段だけは、 「安い……」 何故か100円だった。 いわくつき……。もしくは、何かあるのかと思うのが確かに妥当。 だが、こんな分厚い本が100円は、普通はまずない。絶対に。 そして困ったことに、私はその本への興味が捨てきれずにいた。 自然と身体がレジに向かう。 私は何故か、その本を購入してしまった。 自宅。 マンションの一室が、今の私の部屋だ。 12階建てのマンションの、6階が私の部屋の階である。 微妙な位置なのが気にくわない。 とりあえず私は、本を開いてみた。 これがもしガッシュベルの本ならば、 「ザケル!」 と盛大に叫びたい。 だがそんな本ではなかった。 小さい字でたくさん文字が書いてある。 「………召喚……」 悪魔の召喚方法。 難しくはなさそうなそれに必要なのは、水とペンだけである。 でてくる悪魔はランダムのようだが…… 「やってみようかしら……」 私はペンで本の通り図をでかでかと、そのフローリングの床に書き写した。  
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