00:始めに。

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もちろん消せるように水性である。 そしてコップに水を入れて置く。 で、あとは唱えるだけだった。 「どれ唱えるのよ……」 無数に呪文がかいてある。 どうやら呪文により、召喚できる悪魔が違うようなのだが…… 肝心の名前が書いていなかった。 これでは何が何だかわからない。 「こうなったらテキトーに限るわ……」 直感で一つ、呪文を選ぶ。 そして私は唱えた。 「従順なる鎌を振るう魔神よ。汝我に従い尽くすことを誓い、姿を現し給え。我は契約しせる者、綾羽なり!」 ……………。 ……………シーン……… 何も起こらなかった。 綾羽は少し安堵して、本を閉じる。 「いたッ」 本の紙で指先が切れて、描いた図に血がこぼれ落ちた。 その瞬間、マンガでいうゴゴゴゴゴ……という地鳴りがして、床が光る。 何も、みえなくなって、目をつむる私。 光りで溢れた部屋が、徐々に視界を取り戻しかけた時。 床にいたのは、私だけではなかった……。  
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