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光りがおさまって、見えた部屋の中。
そこにいたのは、私だけじゃない。
薄い緑色の無造作に伸びたボサボサの髪。
180以上ある身長。
ぼーっとしている瞳は、澄んだ黒。
黒いマントみたいなものを羽織っているだけで中は何もきておらず、何をしていたのか、巻いた包帯の上から血が出ていた。
手には、大きな鎌が二本、握られている。
「………あ……?」
ゆっくりと、こちらをみる彼。
鎌にもとからついていた血が、ぽたぽたと床に垂れている。
「………あはッ」
笑って、彼は私に鎌を振り上げた。
「ていうか」
「おわ?」
「貴方一体誰ッ!!!」
私は突如出てきた変質者の勢いを利用して背負い投げを決める。
彼は、びっくりしたように私を見上げた。
というか、驚きたいのはこちらだ。
「あのね、君。まず土足だし血まみれだし何なんですか。鎌から血垂れてるし、床掃除しなさいよ!!」
………勢いで叫んでしまった。
というか、先ほどからの流れでいくと、もしかして悪魔なの……?
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