01:悪魔契約

3/9
前へ
/30ページ
次へ
…………悪魔だから、鎌を持っているのかな……? だが不思議と怖さはなかった。 込み上げてくるのは床を汚したことへの、怒りである。 「いつつ……アンタ誰だよォ」 「それはこっちが聞きたい。貴方誰?」 「………あれ。ここ何処だァ?」 キョロキョロ見渡し始める悪魔。 どうやら人の話を聞かない人らしい。 「俺ァギルドだ。南魔界、魔神だぜェ」 「魔王じゃないの!?」 「魔王? アルシー様ならァ、今は広島でバカンスなんだぜー」 ……………。 悪魔とは信じがたい。 というか、魔王が広島って…… ………警察に連絡した方がいいかな…… 「………やっぱり変質者だね。不法侵入で貴方を……」 「あ? アンタが俺を呼んだんだろォ? 何も用ないならァ、魔界に帰りてェ」 純粋さに溢れた瞳は、だがキチガイだと思わせる雰囲気で目立たないが、私をじーっと見上げている。 ……私が、呼んだ…… つまり私は彼を普通に遊びな感覚で召喚してしまったらしい。 「別に私に用は無いんだけど」 「でも契約成立してんぞ?」  
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加