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…………悪魔だから、鎌を持っているのかな……?
だが不思議と怖さはなかった。
込み上げてくるのは床を汚したことへの、怒りである。
「いつつ……アンタ誰だよォ」
「それはこっちが聞きたい。貴方誰?」
「………あれ。ここ何処だァ?」
キョロキョロ見渡し始める悪魔。
どうやら人の話を聞かない人らしい。
「俺ァギルドだ。南魔界、魔神だぜェ」
「魔王じゃないの!?」
「魔王? アルシー様ならァ、今は広島でバカンスなんだぜー」
……………。
悪魔とは信じがたい。
というか、魔王が広島って……
………警察に連絡した方がいいかな……
「………やっぱり変質者だね。不法侵入で貴方を……」
「あ? アンタが俺を呼んだんだろォ? 何も用ないならァ、魔界に帰りてェ」
純粋さに溢れた瞳は、だがキチガイだと思わせる雰囲気で目立たないが、私をじーっと見上げている。
……私が、呼んだ……
つまり私は彼を普通に遊びな感覚で召喚してしまったらしい。
「別に私に用は無いんだけど」
「でも契約成立してんぞ?」
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