0人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
病院の病室
あきら「なんでこんなことに…赤の他人だろ?はぁ…」
あゆむ「何か言いました?」
あきら「いや別に…」
あゆむ「あの…あきらさん。僕かえで姉ちゃんの傍に居ます。なので…」
あきら「あぁ、すぐ帰るさ。色々ありがとうな。かえでによろしく伝えてくれ」
あゆむ「違うんです。…その、家に泊まっていってください。僕たちは別に構いませんから。お願いします。」
あゆむ頭を下げる
あきら「おいおい。なんでそこまでしてくれるんだ?赤の他人じゃないか」
あゆむ「…かえで姉ちゃんがこんなに必死になってあなたを助けたんです。どんな経緯で出会ったかは知らないけど…それに姉ちゃんは生れつき体が弱いんです。だから友達という友達も居ないんだ。だから…」
あきら「友達になってくれって?はは、冗談じゃない。俺は自分の寝床ぐらい自分で捜すさ。それに俺には友達なんていらない。わざわざお気遣いありがとうな。それじゃあ」
かえで「待って…」
あゆむ「かえで姉ちゃん!起きてたのか?具合はどう?大丈夫?」
かえで「ええ。大分良くなったわ。それより…」
かえでお守りをあきらに渡す
あきら「お守り?なんで?」
かえで「あなた…とても悲しい目をしているわ。出会った時からずっと思ってた。
だから…またそのお守り返しに来てよ。あゆむがくれたお守りなの。あげちゃったら可哀相でしょ?しばらくあなたに貸してあげるわ。また落ち込まないように、泣かないように、ね?」
あゆむ「姉ちゃん…」
あきら走り去る
あゆむ「あきらさん!」
かえで「良いの。必ず返しに来るわよ。なんだか分からないけどそんな気がするの」
あゆむ「あきらさんとはどこでどうやって出会ったの?」
かえで「それはね…」
サイレントで会話しながら暗転
最初のコメントを投稿しよう!